折原 一 沈黙の教室

青葉ヶ丘中学3年A組……。決して荒れているわけではないが、担任教師は『沈黙の教室』と呼んだ。粛清の対象を名指しにする恐怖新聞が発行され、残酷ないじめが繰り広げられていた。そして20年後、同窓会の告知とともに、クラスに関わった誰かが大量殺人計画していた!
序盤からホラー小説のような勢いで読ませ、終盤にかけて一気に真相が明かされていく様は、綾辻行人のよう。例え結末を想像し得たとしても、それは通過地点でしかないと思わせる大きな構成が魅力になった1作だ。また読み終わったとしても、決して消えない薄い苦味が良い。

沈黙の教室 (ハヤカワ文庫JA)

沈黙の教室 (ハヤカワ文庫JA)