曽根圭介 熱帯夜

茹だるような暑い夜、僕と友人、その妻の3人はヤクザに監禁されていた。友人は2時間以内に金を用意すると出て行ったが、本当に戻ってくるのか。そして僕は彼女を守ることができるのか。日本推理作家協会賞短編部門を受賞した表題作を含む3編を収録。
めっちゃ面白い! の一言。構成がとてもシンプルであり、実に効果的になっている。表題作も気持ちのいい作品だけど、ゾンビ社会を書いた「最後の言い訳」も黒く、嫌な味わいがたまらない。匂いをテーマにしているところも素晴らしい。ホラー文庫から出たら、これからも読んでいきたい。