デイヴィッド・ベニオフ 卵をめぐる祖父の戦争

1942年、当時17才だった祖父レフは、ナチス包囲下のソ連で卵の調達のために困惑していた。糞さえ何日も出ていないのに、食べ物なんて、ましてや卵なんて……。饒舌青年兵コーリャとの旅路を、孫であり作家でもあるデイヴィッドに語る、青春物語。
○○の中の人が(SF新刊以外で、ましてやミステリ系で)絶賛なら面白いという僕基準があって、確かに面白かった。クールな少年レフと、アホなことばかり呟くコーリャの珍道中だ。しかし悲惨な環境もあって、間違いなく最後まで読ませる1作。読み終わると、またプロローグを読み返してしまう小説は、良い小説だよね。紙に色つきが無理だったこともあったのだけど、初ポケミスになったのでオメデトウ僕。これからポケミスの読み落としを手にしていけることもわかったので何より。29才でポケミス童貞捨てたんだよ、言わせんなよ恥ずかしい。

卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1838)

卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1838)