ボストン・テラン 音もなく少女は

麻薬に味をしめた暴君の父と、愛深く信仰厚かった母との間に生まれた、耳の聞こえないイヴ。彼女たちを救おうとした女フランに出会うも、彼女たちは不幸から逃れられない……。
ミステリー作家ボストン・テランが送る、力強さに溢れた小説。ミステリ小説ではないといわれているが、少女の成長から物語の終わりまで、カメラという小道具が活かされ続けている。どことなく、ミステリ作家らしい話かもしれない。北上次郎による解説の締め具合も素晴らしい。この渋さは真似したい。

音もなく少女は (文春文庫)

音もなく少女は (文春文庫)