量子回廊 年刊日本SF傑作選 日下三蔵・大森望編

3選目となる、09年に発表された作品から18編を選んだ年刊日本SF傑作選。第1回創元SF短編賞受賞作も収録されている(その松崎有理『あがり』がとてもよかった)。面白かったものを収録順に挙げると、綾辻行人『心の闇』が明確な語り口調で楽しいホラー。珍しく読みとおせた円城塔『バナナ剥きには最適な日々』は不思議と好み。そして前述した受賞作の『あがり』。微生物系だったので風景の想像しやすさが、面白さに拍車をかけた。

量子回廊 (年刊日本SF傑作選) (創元SF文庫)

量子回廊 (年刊日本SF傑作選) (創元SF文庫)