ドン・ウィンズロウ フランキー・マシーンの冬

フランキー・マシアーノは過去の世界と別れたはずだった。小さい釣具屋をはじめ、多くの職種に汗を流す日々。元妻と娘、素敵な恋人に会い、最高の波を待つのが楽しみな62歳のはずだった……。渋々受けたマフィア絡みの仕事から、彼は何者かに命を狙われる。俺の命にどんな価値がある?
登場人物は馬鹿なマフィアの面々に、笑いとドンパチくり広げるドン・ウィンズロウ節にあふれた1冊。読み終わってしまえば、印象に残っているのは最後の2ページ。エンディングがとてつもなく美しいところは、デビュー作『ストリート・キッズ』に通じる(ついつい再読してしまった。海外ミステリ入門に相応しい、永遠の傑作!)。無駄に喧嘩を売った台詞や、それなのに傷つきやすい性格はそっちの主人公ニール・ケアリーにも似ている。憎めないバディがいるところも。やっぱもっとも盛り上がる3作目まで再読しようかな……。

ストリート・キッズ (創元推理文庫)

ストリート・キッズ (創元推理文庫)