万城目学 プリンセス・トヨトミ

東京から来た会計検査院の調査官三人は、検査中に社団法人OJOの存在を知る。まるで存在しないかのように存在する組織とはいったい……。しかし、その裏には、秘められた大阪400年の歴史が存在した。その扉を開くとき、大阪は完全停止する。
本屋で映画予告を見ていたら、買ってしまった1冊。なんとも荒唐無稽な大きな物語かと思いきや、意外とありえそうだと思ってしまう設定が魅力。キャラクタたちによって作られる物語や、終盤の盛り上げなどは、僕はあまり面白いとは思っていない(それは上に書いた粗筋にも出ているし、映画予告を見た結果もあるけど)。でもこの裏歴史とは何か、という一大ネタを、まったく知らずに読めたのは本当に幸せだった。予告を真剣に見ていなくてよかった……。星雲賞日本長編部門候補になったのも面白いね。

プリンセス・トヨトミ (文春文庫)

プリンセス・トヨトミ (文春文庫)