須賀しのぶ 北の舞姫 芙蓉千里2

世界一の女郎を目指し、芸妓となった少女フミ。日本を離れ、北の地でパトロンである実業家・黒谷と結んだ絆と愛を楽しんでいた。激動する世界情勢の中、お座敷仕事も繁盛している……。舞と同時に魅了されたバレエの存在……。だけど、何時も頭の片隅にいるのは、私を救ってくれたあの人……。
コバルト文庫のベテラン作家須賀しのぶが送る、これなんて日本人版「流血女神伝」!? どうしてこうも、怒涛の歴史の中で這いつくばる少女を書くのが上手いかね。様々な逆境を乗りこえてきた主人公たちだが、今回も凄まじい。そこをチープに見せない説得力も読みどころの1つだろう。須賀しのぶを好きな理由に、とあるシーンの可愛さがあって、実に満足であります。妹とシェアする数少ない作家なので、また感想を聞いてみよう。