泡坂妻夫 乱れからくり

玩具会社の部長・馬割朋浩は降ってきた隕石によって命を落とす。その葬儀も済まぬうちに、子どもが睡眠薬の誤飲で死亡。さらに馬割家の人々が命を落としていく、死の連続。この一族にいったい何が? 庭に作られた奇妙な迷路を巡り、女流探偵と新米助手の捜査が始まる……。
日本推理作家協会賞受賞作。読み終わってみると、今まで読んできた傑作本格ミステリが数タイトル浮かんだ……。新本格への系譜。これを今までネタバレを回避できていたのは運命とも思える。軽い口調、ドラマチックな展開、抜群の読みやすさ。最初のサプライズ、中盤のサスペンス、最後のどんでん返し。本当に最後の1ページまで、なんとまあ、豪華絢爛キラキラと輝く国産本格ミステリであったことか。