ジャック・カーリイ ブラッド・ブラザー

米南部で特殊犯罪の警察官を務める僕カーソン。しかし兄ジェレミーは、父と女性数名を襲った連続猟奇殺人犯だった。彼は突如として施設を脱走し、ニューヨークで連続殺人を始めてしまった。兄が策を巡らせる計画の果ては、どんな絵になるのか。彼を止められるのは僕しかいないが……。
ブゥラッド! ブラザァアアアア! (脳内歓声「ブラザアアアア!」)とテンション高く手にしたジャック・カーリイの新作は、シリーズ4作目に物語の大きな節目となった。兄の脱走と殺人の再発、非協力的であり癖あるニューヨーク警察の面々、相棒ハリーとは別行動と、これマジ!? レベルの傑作きたぜ! キャラクタの一言、ちょっとした喜怒哀楽までが伏線になっている計算された本格ミステリだ。毎回ヒロインが変更されることも面白みであり、今回もえらく魅力的な女性が用意されている。だからこそ変わらない相棒への信頼、兄への愛が強く訴えてくる。数々の名作に並ぶ素晴らしい単品ではあるのだけれども、シリーズの魅力と融合した点で本作を上位に挙げたい

ブラッド・ブラザー (文春文庫)

ブラッド・ブラザー (文春文庫)