伊坂幸太郎 砂漠

「砂漠に雪を降らせることも、できるんですよ」入学と共に出会った男女5人は、麻雀・合コン・授業を消化すべく大学生活を始めた。強盗・超能力・大統領をめぐるキャンパスライフ。
学生の生活を読んでも「で?」で終わる散漫すぎやしないか? な物語なんだけど、奇抜キャラな西嶋がいい奴だから(実際にいたら避けるけど)いい物語なんだよね。「それ負けじゃないですか」と怒られてもいいんです。これは西嶋に萌える小説だから。どんどん登場人物たちも、読者(の一部)が西嶋を好きになっていくための物語で、最終的に「西嶋がんばれ!」と悶えるための、西嶋小説なのだ。スタート直後、砂漠に雪を降らせるサラリーマンになろう! というほど西嶋にやられた。

砂漠 (新潮文庫)

砂漠 (新潮文庫)