とみなが貴和 EDGE3 毒の夏

東京の各所で連続した異物混入事件。それは悪戯なのか、それとも底の見えない悪意なのか? 民間の心理捜査官・大滝錬摩は、偶然居合わせた青酸ガス事件から、2つの事件に関わることになる。一方、錬摩と暮らす宗一郎は、皆の心の中にいる”藤崎”という男の存在を意識し始める……。
なんとまあ、大都市・東京で起こる事件を巧みに書くことか。ミステリの技だけではなく、人間関係で書かれるプロットが素晴らしい。読者の情報量と、そこから生まれる物語の加速度が見事だ。事件でもプライベートでも、止めることができないストーリ展開に注目してもらいたい。

EDGE(3)?毒の夏? (講談社X文庫ホワイトハート)

EDGE(3)?毒の夏? (講談社X文庫ホワイトハート)