ヴィカス・スワラップ ぼくと1ルピーの神様

ぼくがテレビのクイズ番組で1億ルピーを手にした後、警察がやってきた。孤児で教育を受けていないぼくが、難問に答えられるはずがないと不正の疑いをかけたからだ。ぼくは本当に運がよかっただけなのに。あばら家の隣で父親に殴られた少女、強盗が乗り込んできた寝台列車、映画俳優に熱中した最愛の友がいたから……。
映画化されて話題になった、インド・ミステリの原作。絶版になっているのが惜しまれるほど、サクサクと読める青春ストーリと、大変気持ちのいい伏線が効いている良作だ。読書会のミステリ入門書を挙げるなら、是非入れたい。ミステリ・マガジン2012年2月号”アジア・ミステリへの招待”や出張、偶然古本で見つけられなかったら、読んでなかっただろう。まさに出会いものな1冊。

ぼくと1ルピーの神様 (RHブックス・プラス)

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