マイケル・カプーゾ 未解決事件 コールド・ケース 死者の声を甦らせる者たち

ある時は捜査から論理的に、ある時は天才アーティストに降り注いだ直感から、ある時は加害者の告白によって……。フィラデルフィアにある、未解決の事件のみを扱う私設探偵団ヴィドックソサエティ。世界の捜査官、犯罪心理学者、法医学者たちが集まり、優雅な食事を楽しみ、血塗れの死体を鑑賞しては、論理的に検討する。
世界的に有名なボランティア探偵団ヴィドックソサエティ、彼らの設立から現在までを書いたノンフィクション。小説の如く奇天烈な事件もあれば、本当に足で解決した長年に及ぶ地道な捜査まで、少しドラマチック仕立てではあるが、飽くことなく読ませる1冊。ただ最終的に、長期の事件が重なることによって、全体像が見えにくくなっている。最後は一気に読まないと辛い(かった)。その分、エピローグが味わいあるわけですが。

未解決事件(コールド・ケース)―死者の声を甦らせる者たち

未解決事件(コールド・ケース)―死者の声を甦らせる者たち