デニス・レヘイン スコッチに涙を託して

ボストンに私立探偵事務所を構えるパトリックとアンジーの幼馴染。上院議員の掃除婦ジェンナが重要書類を盗んで、姿を消したという。簡単に思えた捜査はあっさり彼女を発見するも、書類を渡される直前に、ジェンナが殺されてしまう。エリートたちが回収を焦る書類とは? そしてジェンナに関わる黒人ギャングの抗争が始まった……。
アメリカ私立探偵作家クラブ・シェイマス賞95年度最優秀新人賞を受賞。短編が面白かったので、そろそろシリーズ1作目も読んでみるかと思ったものの、あまりにもストレートすぎるハードボイルドに抵抗してしまった。でも、パトリックとアンジーのコンビが沁みてくると、これが面白くなってくる。濃すぎるキャラたちも魅力的だし、古臭いドラマ感もいい。ミステリらしい終盤にも大変驚かされた。こういうシリーズ(完結してるんだっけ?)が今得られたのは素直に嬉しい。

スコッチに涙を託して (角川文庫)

スコッチに涙を託して (角川文庫)