ニック・ダイベック フリント船長がまだいい人だったころ

アメリカ北西部の漁村ロイヤルティ・アイランドでは、男たちは秋から春の終わりまで、極寒のアラスカで漁に励んでいた。しかし突如の社長の死は、彼らを不安にさせただけだった。跡継ぎのリチャードは事業を海外に売ってしまうというのだ。14歳の少年カルは、いつか父と漁をできる日を楽しみにしていたが……。
カニ臭くも明るかった小さな町ロイヤルティ・アイランドで、父らが犯罪を犯したのではないかと疑い始める、少年たちの青春小説。漁師らのいる荒波と、静かな町の対比がずっとなされ、まるで凪のような小説だった。両親の出会い、そして住人たちのエピソードが印象的だ。

フリント船長がまだいい人だったころ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

フリント船長がまだいい人だったころ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)