冲方丁 天地明察

暦がずれている。日の吉兆を示しているはずの宣明暦に信憑性がなくなったことから、幕府は改暦を実行しようとする。碁打の名門に生まれながら、算術に魅かれた青年・渋川春海。壮大な計画と、聡明な男が出会ったとき、天との壮絶な勝負が始まる……。
ある種の天才でありながら、多くの期待を背負い、そして迷惑をかけた青年・渋川晴海。巨大なプロジェクトを前にして挫折しながらも、様々な人々に助けられていく姿は、当に人の生き方。そして死に方だった。また、自分もこうなっていくんだろうな、こうでありたいと思わせるものだ。
天地明察(上) (角川文庫) 天地明察(下) (角川文庫)