貴志祐介 新世界より

わたしたちは大人になるために、”呪力”を手にしなければならなかった。クラスメイトたちが一人、また一人と大人になっていく中、わたしは遅々として力が現れず焦っていた・・・・・・。誰もが小さな世界を満足していたはずなのに、”図書館”を手にしたことから、完全に管理されていた日常が壊れだす。
どうしても再読したくなって、Kindle版も半額以下だったので。感想は再掲。なんという痛々しく古臭い設定! 誰も拾わなくなった石ころを、しかし貴志祐介が集めれば、こんなにも輝かしい永遠に続くようなアクセサリーができるとは・・・・・・。話しが進むにつれ、あやふやになる世界観。残虐さと相まって、物語はどんどん魅力を増していく。以前に講演会で山田風太郎への言及があったが、思い出さずにはいられない。合計1000ページもある超大作だが、貴志祐介によって濃縮された、一気に読める傑作エンタテイメント小説だ。
新世界より(上) (講談社文庫) 新世界より(中) (講談社文庫) 新世界より(下) (講談社文庫)

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