浅葉なつ 香彩七色 香りの秘密に耳を澄まして

秋山結月は犬並みの嗅覚を持ちながら(自覚症状なし)、大好きな食事だけに活かしていた。そんな結月は大学で、古今東西の香りに精通した青年・神門千尋と出会う。千尋の知識と冷静な判断力で、人々の謎に触れていく2人。しかし彼は香道宗家跡取りであることを隠し……。
香り関係の仕事をする知人から「面白いミステリがあったよ」と紹介を受けて読んでみた。ああ、これ香り版ビブリオや。こういうプロット屋でもいるのだろうか。というわけで、香りにまつわるエピソードから推理に入っていくタイプの心優しい連作ミステリ。匂いが物語を広げるキーになっている。1話がとても良かったんだけど、あとはパンチ足りずかな。