浦賀和宏 究極の純愛小説を、君に

富士山麓の樹海に合宿へとやってきた八木剛たち文芸部員だったが、一晩が明けると顧問が消えていた……? 次々と惨殺されていく文芸部の仲間たち。八木剛は思いをよせる美優を救おうと奮闘する。一方、保険調査員の琴美は失踪した調査対象の"八木剛"のために、彼の母に会うが……。
ここ数作の幻冬社文庫で出ていた浦賀和宏が酷かったので、今回も粗筋から読む気はなかったんだけど、週刊文春の書評をきっかけに読んでしまった。講談社ノベルスで完結した八木剛士シリーズの先にある完全完結編。うわー! 勢いで読んじゃうわオモシレー! なんだけど、この楽しさの後は、浦賀初期から八木シリーズに触れていないとわからないだろう。講談社は頑張ってこれを出せよ! だし、徳間はよく単体で出したね大丈夫⁉︎ としか思えない。しかし本書は間違いなく、浦賀和宏から俺たちへの、究極の純愛小説だった。