夢枕獏 神々の山嶺

世界初のエヴェレスト登頂を目指し、その直前に遭難したジョージ・マロニー。彼の姿を写したかもしれないカメラを手に入れた写真家の深町は、偶然にも伝説の男に出会う。山に登り、山に愛されなかった孤高登山家、羽生丈二。表の世界から消えた彼は、エヴェレストの麓で何をしているのか。
映画化の予告でネタバレされる前に、Kindleのセールで読んでみた。まさか文章の登山でこんなにも冷や汗をかき、足がすくむとは。夢枕獏が書く「頂上を目指す男」の話が面白くないわけなかろう。読み応えたっぷりの男なら読んでおきたい傑作。やはり完結している氏の作品は読んでいかんとなあ。