デスパード家の当主が死去した。死ぬ直前の夜、当主に寝室には古風なドレスを着た女がいて、壁から抜け出したという……。伯父の死に疑問を持ったマークは、友人と墓を掘り返すが死体は消えていた。誰が、何のために、どうやって……。
妻が過去の毒殺犯と瓜二つという強烈な謎も付いてくるストーリー。どうやって解決するの? と思わせる、カーの中でも最も評価の高い本書をようやく読んだ。一部古くなってしまったトリックがあるものの、オカルト趣味と新本格風の解答が今でも十分に気持ちいい。しかし最後に超アクロバット技を見せてくるのは、正直これどうなの? メフィスト賞じゃないんだよ? 嫌いじゃないけど、好きにはなれないなあ。思わず瀬戸川猛資のカー評を読んでしまった。
- 作者: ジョン・ディクスン・カー,加賀山 卓朗
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/08/25
- メディア: 文庫
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