アンデシュ・ルースルンド ステファン・トゥンベリ 熊と踊れ

凶暴な父親によって家庭を潰されたレオ、フェリックス、ヴィンセントの3兄弟。彼らは銀行強盗をするために、軍隊の武器庫から銃器を盗んだ。必ず成功させるためには事前準備だけでなく、3兄弟の絆が必要だった。ヨン・ブロンクス警部が率いるスウェーデン警察は、 その精密さと大胆さに、どこまでも翻弄させられる。
スウェーデンで実際にあった事件を元に、その実行犯の兄弟でもあったステファン・トゥンベリが書くハーフ・フィクション。ほぼ事件通りに書かれているそうですが、まさかこんな奈津川家サーガ(舞城王太郎)風の家庭が存在するとは。フィクションですよね? 銀行強盗のスムーズさの面白さと、最後へとなだれ込むような緊張感。なんなのこの面白さは。2016年を代表する1作になったのは間違いなくて、今年はこれ以上の読書体験ができるだろうか。
熊と踊れ(上)(ハヤカワ・ミステリ文庫)

熊と踊れ(上)(ハヤカワ・ミステリ文庫)

熊と踊れ(下)(ハヤカワ・ミステリ文庫)

熊と踊れ(下)(ハヤカワ・ミステリ文庫)