アンデシュ・ルースルンド ベリエ・ヘルストレム 制裁

護送中の幼女連続殺人犯が2名の刑事に暴行を加えて逃走。かつて捜査に関わったベテラン警部グレーンスは再び犯人を追うことに。一方、愛娘を保育園に送った作家フレドリックはテレビを見て驚愕する。園前に座っていた保護者のような男性は逃走犯なのか? 娘の元に駆けつけるフレドリックだが……。

『熊と踊れ』のアンデシュ・ルースルンドのデビュー作。それ以上に読み終えた時の充実感ゼロ(絶賛)。初っ端からガツガツ読ませにくるんだけど、誰かに愛着をもったら負け……。父も、殺人犯も、幼女を見る様子が生々しく、それぞれの愛は全く別なのに似ているのはどうしてなのか。全体に漂う性犯罪者への嫌悪感・差別が相まって、緊張感と悲しさが止まらない。もともと武田ランダムハウスジャパンから出版されていた作品に光を当ててくれてありがとう御座います。グレーンス警部が好きではないけど続きが読みたい。

制裁 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

制裁 (ハヤカワ・ミステリ文庫)