東野治之 聖徳太子 ほんとうの姿を求めて

聖徳太子とはどのような人物で、何をなし得てきたのか。憶測ではなく、残された資料から読み解く聖徳太子像。なぜ歴史の中で神格化され、今日の論争が起こってきたかを解説する。
日本史に興味のある中高生が本書に触れていたら、とても刺激になるであろう1冊。実在する情報を読み解き、冷静に、時に激しく展開する聖徳太子像が、ある意味で新しい。正直それは熱論すぎでは? と思う箇所もあるけど、聖徳太子がどういう存在だったかは間違いないだろう。フリガナの少なさは難だったが、とても読み応えのある岩波ジュニア新書だった。