上遠野浩平 荒木飛呂彦 恥知らずのパープルヘイズ ジョジョの奇妙な冒険より

あのイタリアの冒険から半年。組織を裏切ったパンナコッタ・フーゴは、幹部から呼び出しを受ける。命令は、表舞台に顔を出したボスが危険視する、もっともヤバい麻薬チームの壊滅。フーゴは再起へのチャンスとして呼ばれたのか、それともただの捨て駒として呼ばれたのか。今までにない暴力的な冒険が始まる。
文庫化で5年ぶりに再読。ライトノベル作家上遠野浩平が書くジョジョ5部の後日譚。乙一版4部の後日譚はミステリ仕上げで、しっかりとジョジョでもあるし、本格ミステリーとしても素晴らしい。しかし今作は文字だけを追っているはずが、まるで漫画を読んでいるように錯覚させられる。当にスタンド攻撃をくらった驚きとはこれだろう。過剰と感じるかどうかはファン次第だが、他部からのエッセンスを挿入してくる巧みさに感動。こんなに上手い作家だったのかと、とても驚いてしまった。。追加の短編も趣きがあって◯。5部を読んだ人は手に取るべきだろう。