ビル・ビバリー 東の果て、夜へ

組織で道路の監視役を務める15歳のイースト。上からの命令で、少年たちはウィスコンシンまでの長い旅に出る。組織のために、裏切った一人の男を殺さなければならない。暴力を秘めた弟たちとの2000マイル。
ロードノベルいいよね! と読み始めた英国推理作家協会賞最優秀長編賞、同最優秀新人賞、全英図書賞、LAタイムズ文学賞など、四冠の受賞作。雰囲気が乾きすぎてめっちゃ地味なんですけど。でも潤う瞬間に心弾むんですけど。何も分かっていない少年たちのドライブ中に、翻弄されて疲弊していく主人公が本当に辛い。長いエピローグとしてしっとりと書かれる終盤が素晴らしく、ゆっくりと余韻に浸ってほしい。

東の果て、夜へ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

東の果て、夜へ (ハヤカワ・ミステリ文庫)