アンデシュ・ルースルンド ベリエ・ヘルストレム 地下道の少女

極寒のストックホルム。警察本部の近くで、外国人の子ども43人が団体バスから置き去りにされた。同時に、病院の地下では顔をえぐられた女性の死体が発見された。グレーンス警部たちは事件を追ううちに、町の深部である地下道との関わりを見つける。しかし、その暗闇の中で待っている真実とは……。

一貫してえげつない重さを表現してきたシリーズ(『制裁』『ボックス21』『死刑囚』)だけど、今回のパンチはフェイントも含めて見事! 最高! めっちゃ好き! 社会派とシンプルな本格ミステリーが綺麗に合体しています。直接的な表現があるわけではないけど、吐き気をもよおす大人の悪意は他では味わえず、読みどころでもある。主要キャラもシリーズとして大きな節目を迎え、心が絞られるようだった。

地下道の少女 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

地下道の少女 (ハヤカワ・ミステリ文庫)