彼がロンドンへ帰ってきたのは400年ぶりだった……。16世紀末に生まれ、その成長の遅さから魔女狩りから逃げ、シェイクスピアと出会い、太平洋を転々とした。トム・ハザードは遅老症なのだ。同じ生きかたをするコミュニティ「アロバトロス・ソサエティ」へ加入することで、トムの長い長い人生は一変する……。それは安全を手に入れたのか。それとも孤独が待っているだけなのか。
新聞の書評欄で知って読んだけど、初めての新☆ハヤカワ・SF・シリーズか。長生き故に出会う人々との結末がどれも切なく、葛藤する主人公に心が痛む。過去の恋、もうしないと誓った今の恋、どんどんリフレインしていった先にある結末とは。歴史パートは雑然としたダイナミックさがリーダビリティ高く、その影響が響く現代パートがまた読ませる。
トム・ハザードの止まらない時間 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)
- 作者: マットヘイグ,青井秋,大谷真弓
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2018/10/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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