デニス・レヘイン 愛しき者はすべて去りゆく

寝室で寝ていたはずの少女アマンダが忽然と消えた。依頼を受けたパトリックとアンジーだったが、アマンダの母へリーンが取材を受ける姿は悲しみより、楽しんでいる様子でもあった。彼女の生活はアルコールとドラッグに満たされていたと、叔母ビアトリスは明かす。その線から警察とともに捜査を始めるが……。

読み終えると、ただただ心が痛い。作者はパトリックとアンジーのことが嫌いなの⁉︎と叫びたくなるような、シリーズ第4弾の出来は極悪。不穏な空気のスタートから、過激なアクションシーンで満たされる中盤が読みどころ。そしてアクセル全開の終盤はどう説明すればいいのか凄まじすぎて……。ドラッグ、性犯罪、トラウマ、二重のバディものと要素が多く、思い出すだけで酔いそう。誰も間違っていないけど、誰も正解ではないラストの余韻は……あぁ……。是非一読して眠れない夜を悶々と過ごしてほしい。

愛しき者はすべて去りゆく (角川文庫)

愛しき者はすべて去りゆく (角川文庫)