池上英洋 よみがえる天才2 レオナルド・ダ・ヴィンチ

稀代の天才、万能人と呼ばれる男が500年前に存在した。しかし彼は、出生に恵まれず工房で汗を流した1人の青年だった。大航海時代に入る直前、激動の世界に翻弄され、宗教と技術を通して作品作りに苦悩し続けたレオナルド・ダ・ヴィンチの生涯とは。

伝説や面白いエピソードは取っ払い、レオナルド・ダ・ヴィンチ(と工房)が残した作品、ノート群と関わった人たちの記録を中心に、彼がどのような生涯を歩んだかを誠実に教えてくれる。ちくまプリマー新書も岩波ジュニア新書も1人の人間に焦点を当てた作品はどれも落ち着いた文体で、読んでいて気持ちいい。かつこのリーダビリティは何なんだ。