モンゴメリ 赤毛のアン

カナダのプリンス・エドワード島にやってきた孤児アン。男手を望んでいたマシューとマリラの兄妹は、空想豊かな赤毛の少女に困惑をする。しかし学校生活や人との交流を通して少しずつ心を開いていく。季節の移ろい豊かに成長するアンの姿を書く。

ドラマ『アンという名の少女』を見て原作を読んでみた。ドラマも草花や景色を意識した構成になっているけど、原作はもっと情報豊かで、時代背景や宗教色、それぞれの心境が書かれて読み応えがすごい! 当時の社会情勢や引用元が巻末で補足され、まるで北米史の教科書のようだ。養母となるマリラが言葉少なで堅物なだけに心を開いた愛を含んだ一言が熱い。終盤、残された時間を意識した心理描写に涙をこらえきれなかった。この年で読めてよかった。

赤毛のアン (文春文庫)

赤毛のアン (文春文庫)