有吉佐和子 紀ノ川

絶対的な祖母に育てられた花は、紀ノ川の流れにそって川下の集落に嫁いでいく。男のように豪快で、時代の一歩先を歩もうとした文緒。病弱ながら戦争を乗り越え、変わりゆく紀ノ川を見つめる華子。紀州和歌山の素封家を舞台に、明治から始まる女三代記。

チョ・ナムジュ「82年生まれ、キム・ジヨン」の感想から、Twitterにて女三代記として教えてもらった1作。桜庭一樹赤朽葉家の伝説」も同じく女性の大河小説に家と土地が絡むとたまらん。「悪女について」で有吉佐和子と出会い、年をとっていく女の腹の底の書きかたが本当上手い。著者の作品は少しずつ読んでいこう。

紀ノ川 (新潮文庫)

紀ノ川 (新潮文庫)