金田淳子 『グラップラー刃牙』はBLではないかと1日30時間300日考えた乙女の記録ッッ

刃牙』とは距離をとっていた著者が、無料お試し版から沼に足を突っ込んでしまった。ズブズブと沈み込んでいき豪快に遊泳する様子をnoteに記したエッセイ。

ドラマ化の告知をきっかけにnoteを読んで、『刃牙』BLセックス表現説にいたく共感してしまった。自分の体に合うパートナー(好敵手)を求める姿は、確かにセックスだと気付かされる。著者が愚地克巳に出会い、ドイルによって達してしまう様子に爆笑。その後に迎える賢者タイムの清々しい姿にまた爆笑。女性が読む『刃牙』に、男の恥ずかしい姿を見てしまった。

板垣恵介 夢枕獏 藤田勇利亜 小説 ゆうえんち 2 バキ外伝

育ての父・松本太山の死を追って、柳龍光への復讐を誓った少年・葛城無門。そのためには“ゆうえんち”に入園せねばならない。力のみの生き地獄で、無門は柳に出会えるのか!?

いよいよ本題“ゆうえんち”を舞台に、夢枕獏による『刃牙』外伝第2弾。死刑囚編に至る前日譚で、柳龍光が捕まるまでの物語のはずだけど、無門が逮捕できるのか? (そうでなくてもいいのか……。)ゴブリン春日戦を中心に、殺す潰す砕くを通して無門の葛藤が書かれる。バキの世界観と獏の文体で、ひたすらに拳を撃ちあう快感を体感してほしい。

コルソン・ホワイトヘッド 地下鉄道

ランドル農園の奴隷仲間から孤立した少女コーラ。母は脱走し行方が知れず、主人たちの残虐から逃れるだけで精一杯の日々だった。仲間に誘われ逃亡を決意した彼女は、地下を走る列車に乗って自由な暮らしをできるという土地を目指す……。

消えゆく奴隷たちへのインタビューを下じきにしたノン・フィクションの味わいと、実際にあった奴隷解放運動の地下鉄道、それをスチームパンクに転じた発想がたまらん。奴隷狩りの邪悪さだけでなく、雇う人、隠す人、逃れる人たちのひと1人に潜在している悪の濃さといったら……。黒人奴隷の開放をねがった人々の運動は、ジェームス・M・バーダマン「アメリカ黒人史 奴隷制からBLMまで」とウェルズ恵子「魂をゆさぶる歌に出会う アメリカ黒人文化のルーツへ」が素晴らしいので副読本としてどうぞ。