三上延 ビブリア古書堂の事件手帖6 栞子さんと巡るさだめ

太宰治「晩年」を奪うため、五浦大輔と篠川栞子に危険な行為を及んだ青年が再び現れた。しかし今度は依頼者として、またしても「晩年」を探してほしいという。その本には署名はなくとも、太宰自身の書き込みがあるという。調査を進めるうち、同じ本を巡ってビブリア古書堂の2人の祖父母が関わっていた……。

主人公とヒロインの気持ちがまとまり、落ち着いたエピソードで終幕かと思いきや、また太宰治でプロレスする必要ある? わたしが1番太宰治をわかってるマウントでボコり合わなくてもいいのでは? つくづく読書愛は人を不幸にするなあ……。過去を引き立て、大きな幕を閉じる物語。愛をポジティブにとらえるかどうかで印象が変わる。

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三上延 ビブリア古書堂の事件手帖5 栞子さんと繋がりの時

五浦大輔の告白を、篠川栞子は受け止めきれず、必ず答えるので待ってほしいと告げた。ぎこちない距離感の2人に、また古書にまつわる依頼が入る。知っていたかのように再び登場する栞子の母。娘を試すかのような台詞を残すが……。

ブラック・ジャックを収集する父と、引きこもりの弟に挟まれた女性のエピソードがよかった。エゴの強さ、ブラック・ジャックのストーリー、その背景と共鳴させるための作り込みが、綺麗な話しに見えて、実はエゴだらけという。今までも、誰もが何より本を優先する人たちだったからな……。

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筑摩書房編集部 ちくま評伝シリーズ ポルトレ ココ・シャネル 20世紀ファッションの創造者

貧困な家に生まれ孤児院で育ち、世界的デザイナーとなったココ・シャネルの生涯。それまでの女性概念に囚われないデザイン、誰もが憧れたファッションアイテム、収益を産んだ香水No.5の誕生物語とは。

シャネルNo.5の香りを知らないと思い、デパートで試させてもらった時に、シャネルの人生がわかりやすいと教えてもらった1冊。家族環境が難しく、貧しい少女時代を過ごしたエピソードから、様々な男性と恋をしていく姿がドラマチック。しかし、自ら手を動かすプロフェッショナルな姿、自立を求める一貫したプライドが、数々のエピソードから垣間見れる。中高生向けのシリーズで、もっと知りたい人へのブックガイドも充実していてマル。シリーズ通して読んでいこう。

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