我妻俊樹 忌印恐怖譚 くびはらい

奇怪、異様、不可思議な話しに聞き耳をたてていると、いつか自分も体験することになる……。実話怪談50話を収録。

語り口、ほどよく短い1話のボリューム感、そしてじわっとくる余韻。「瞬殺怪談」で出会ってから著者のはよく読んでるな。

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井上夢人 ラバー・ソウル

おぞましい様相に誰もが目を背け、社会から隠れて生活をする鈴木誠。しかし彼の書く高度なビートルズ評は、多くの専門家を唸らせた。鈴木誠が偶然にも出会ってしまった、若手モデルの美縞絵里。彼女に魅せられ、大胆なストーキングを開始するが……。

梅田駅の紀伊国屋書店でオススメされていたので読んでみた。海外ミステリーなら3分の2で終わらせるネタを、ネチネチネチネチ書くことで鈴木誠の姿が明確に浮かび上がってくる。高いリーダビリティがあっても、結末まで焦らされるように話しが長い。これが井上夢人の良さなんだろうけど。

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北村薫 盤上の敵

妻の友貴子がいる家に、猟銃を持った殺人犯が立て籠った。末永純一は警察が囲んでいるため、帰宅も身動きもできなくなってしまった。偶然にも犯人とコンタクトを取った純一は警察、報道局をも利用した秘密裏の作戦を強行する。

佳多山大地新本格ミステリを識るための100冊令和のためのミステリブックガイド」の紹介をきっかけに読んでみた。犯人を黒のキングに、妻と主人公を白のクイーンとキングに例えて、チェックメイトを目指す。終盤のテクニックで思い出したのは、北村薫から距離をとった理由がこの怖さだったな……。さらっとキャラクターの辛さを告白させるところです。

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