佐々木貴教 地球以外に生命を宿す天体はあるのだろうか?

宇宙には、同じように生命を宿した「第2の地球」は存在するのでしょうか。火星や木星の衛星エウロパ。太陽系の外にある系外惑星に生命の可能性はあるのか、世界中で調査が始まっています。最新の研究でわかってきた生命の可能性とは?

妻が「宇宙人っているの?」と問うてきて、ちょうど紹介されていたので読んでみた。地球外生命というと遠い遠い星の話しで、ついつい知的生物を想像してしまう。だけど、水と熱があれば太陽系内でも可能性があると説明されると、ぐっと身近になってくる。夜空を見上げたときに、もしかしたらと思わせてくれる素敵な1冊だった。

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氷室冴子 冴子の東京物語

長距離長電話の請求書に驚き「電話代より東京での部屋代が安い?」と気づいた作家、氷室冴子。友人や家族の電話で気づいたエピソード集。

復刊したので、ずっと積んでいた集英社文庫版で読む。北斗の拳にハマりアンソロ小説の執筆を希望する「一子相伝の美学」に爆笑し、大好きだった祖父が亡くなったと知る「記憶」で涙した。人との死別を書いたエッセイでは「壇蜜日記」に並ぶ傑作だ。同時代にデビューした夢枕獏の解説は、果し状とも鎮魂歌ともいえる書きっぷりが素晴らしい。学生時代に氷室冴子を教えてくれた皆さんへ、本当にありがとう御座いました。

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加藤シゲアキ チュベローズで待ってる AGE22&AGE32

就職活動に挫折していた光太は、歌舞伎町のカリスマホスト・雫にスカウトされる。人気ホストクラブ「チュベローズ」で働き始め、夜の酸いも甘いもを知るが、ゲーム会社に勤める美津子からの指名で一変する。自らの夢を掴むために、彼女を利用しようとするが……。

22歳、ホストクラブでの成長を書く「開幕編」。その10年後、社会経験を積んだ光太が真実に近づいていく「完結編」。ホスト成長譚かと思いきや、後半から全然違う物語に変化して、ミステリーとしての着地点は好みが分かれるところだろう。中盤までのサクセス・サラリーマン小説は、テキストも気持ちよくて一気読み。冴えない学生が歌舞伎町のホストで一目置かれるって、まさに現代転生小説のようだ。この味わいでモリモリ読みたかった。

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