久田樹生 「超」怖い話 死人

怪異との遭遇は事故にあうようなものかもしれない。ある日突然、防ぎようのない恐怖に出会ったとき、人はどう判じるのか。取材による実話怪談28編を収録。 元ヤクザが飲食店を経営した末の「精算」。いじめられっ子の幽霊が現れる「価値なし」。スナックのマ…

金田直久 白装束集団を率いた女 千乃裕子の生涯

2003年4月、突如メディアに追われた白装束の集団。白布と謎のデザインにデコレーションされたキャラバンの正体「千乃正法会」あるいは「パナウェーブ研究所」とはなんだったのか。教祖である千乃裕子の生涯を追いながら、事件の全貌を解説する。 本書はとて…

黒木あるじ 黒木魔奇録 狐憑き

夜中にかかってきた番号不明の電話。クリックしたアクセス先。いつもと違う帰り道。あの時の出来事は、誰かに語れば断ち切れるのか。 人がいないから、家にいる時間が長いから気づく怪異がある。震災に続き、コロナ禍での実話怪談も収集する。病院怪談はいく…

中山市朗 怪談狩り 山の足音

「新耳袋」の著者・中山市朗が蒐集した実話怪談シリーズ第8弾。吉野の山奥で古民家を改修して始まる異常な怪異。明らかな敵意に足が立ちすくむ……。 角川ホラー文庫で唯一読んでいる実話怪談集。「ずれた世界」が典型的なモダンホラーながら圧倒的に怖い。泣…

荒木飛呂彦 北國ばらっど 岸辺露伴は倒れない 短編小説集

杜王町に住む人気漫画家・岸辺露伴が出会う数々の奇怪。至高の音楽を求めた男の末路「黄金のメロディ」。実写ドラマ化の撮影中に始まる怪異「原作者 岸辺露伴」。毎年6月に住人が消える家に呼ばれて……「5LDK ○○つき」の3編を収録。 ジョジョ4部のスピンオフ…

小鍛冶孝志 ルポ脱法マルチ

「近くでいい居酒屋知らない?」その一声についていったらマルチ商法に片足を入れていた。新聞記者である著者が、コロナ禍で彼らに出会い惹かれていく。なぜ彼らはやりがいを求めるのか。通称「事業家集団」「環境」と呼ばれる組織が引きこむ手法とは。 NHK…

22年度読んでよかった本

2006年から続けている今年読んでよかった本。本厄のためしんどいイベントもたくさんありましたが、2023年は風向きを変えたいところ。この1年での読書記録は100冊弱。その中で印象に残ったものをボリュームある作品から紹介。 水上勉「飢餓海峡」は、義実家で…

クリス・ウィタカー われら闇より天を見る

カルフォルニア州、海沿いの小さな町ケープ・ヘイヴン。30年前に起こった少女殺人事件の影響がまだまだ残っている。自称無法者の少女ダッチェスは、事件から立ち直れない母親と、まだ幼い弟のために信念をもって生きていた。そして犯人が刑期を終えて帰って…

白井智之 名探偵のいけにえ 人民教会殺人事件

楽園ジョーデンタウンでは病気も怪我も存在しない。カルト教団の本拠地に調査に入った助手が帰ってこないため、探偵・大塒は記者とともに飛びこんだ。助手との再会を合図のように、楽園で不審死が発生する。密室・毒殺・切断死体。正しいのは教祖の奇蹟か、…

松島駿二郎 探険と冒険の物語 世界をどう変えたのか

未知の大地を見てみたい。誰も踏み入ったことのない土地を歩きたい。誰も知らない生物に出会いたい。そんな好奇心、欲望が人を駆りたてる。進化論へと思考を進めたダーウィンやウォレス。新大陸へと進んだコロンブスやマゼラン。南極点を目指したアムンゼン…

森博嗣 新装版 ダウン・ツ・ヘヴン Down to Heaven

クサナギがエース・パイロットとしてトップの成績を収めた結果、彼女は企業にとっての生きる広告になった。女性キルドレという話題性に利用され、鬱屈とした彼女に、都市部での実戦指令が下る。 森博嗣が書く「熱中する故に格好いい女性」が好きだったんだけ…

文藝春秋編 統一教会 何が問題なのか

安倍元総理の銃撃から再び注目を集める旧統一教会。霊感商法・合同結婚式・巨額の献金。韓国から始まり、なぜ日本でこれだけ栄えたのか。鈴木エイト氏、宮崎哲弥氏、島田裕已氏らジャーナリストが見てきた統一協会とは。 統一教会がクローズアップされてから…

月村了衛 機龍警察 完全版

人型搭乗機・機甲兵装によってテロ、民族紛争が激化。警視庁は新型機<龍機兵>を採用し、その搭乗者として3人の傭兵と契約した。警察組織で孤立する特捜部だが、都内中心部で発生したテロ事件の出動をする。大きな被害の裏には、想像を絶する組織の気配があ…

倉持浩 パンダ ネコをかぶった珍獣

シロとクロの大きな生きものパンダ。愛嬌のある顔でタケを食べ、木を登ったり寝転がったり気ままな生活に人気がある。上野動物園のパンダ専属飼育員に「なってしまって」10年。謎に包まれた生態や難しい繁殖事業、マスコミとの葛藤を交え、パンダの全貌を語…

雨穴 変な家

Webライター雨穴が知人から渡された売り物件の図面。謎の隙間、窓のない子ども部屋、奇妙な増築。間取りから、この家に隠された恐ろしい可能性が見えてきた。まさかもう1人、住人がいたのではないだろうか? 奇妙な間取りから調査が始まり、最初の味わいは怪…

小野不由美 営繕かるかや怪異譚

叔母が住んでいた町屋には箪笥で隠された奥座敷があった。襖を何度閉めても開いている(奥庭より)。武家屋敷のリフォームをしてから、同居する母は天井の足音にますます悩まされるようになった(屋根裏に誰かいるのよ)。家の困りごとを相談すれば、営繕か…

廣嶋玲子 ふしぎ駄菓子屋銭天堂 6

路地の先に見えた、どうしてこんなところに駄菓子屋が……。今までに見たことのない色とりどりのお菓子が、ここ銭天堂には並ぶ。大柄な女性店主が優しく紹介する言葉はとても心地よくて、不思議なお菓子を買ってしまう……。 駄菓子によって老若男女が紡がれるオ…

小川哲 君のクイズ

クイズ王者を決めるテレビ番組「Q-1」。クイズプレーヤー三島玲央は、決勝戦で本庄と並んだ。優勝を決める1問。出題者が読み上げる前に本庄が押した。まさかの0秒解答。真相解明のため、三島は過去の問題を見つめ直すが……。 第13回山田風太郎賞を受賞した「…

平山夢明ほか 瞬殺怪談 鬼幽

平山夢明や黒木あるじ、我妻俊樹など実話怪談の名手による149話を収録。 現代怪談アンソロジーの傑作シリーズ第9弾。ここから現代怪談に触れるもよし、新しい作家に出会うもよし。意図せず誰かを傷つけてしまう「いらない才能」や、さらっと書いているわりに…

瀧本哲史 武器としての決断思考

京都大学での講義「意思決定の授業」を凝縮した1冊。これから生きていくのには、自分で考えて、自分で決めて、決断力を身につけていくしかありません。迷ったときに脳内でディベートを行う思考法を教えていく。 青山ブックセンターに寄ると自己啓発書を買っ…

黒木あるじ 黒木魔奇録

親戚からかかってきた電話。SNSで気になったアクセス先。仕事先で訪れたマンションの一室。あの時の出来事は、誰かに語れば断ち切れるのか。 緊縛師が依頼先で出会った夫婦を語る「鞣」が印象的。フリマアプリにまつわる「出品」は、場所にまつわらない襲撃…

夕木春央 方舟

大学時代の仲間と山奥の地下施設を訪れた柊一は、道に迷った3人家族と一晩を過ごした。明朝、地震が発生。岩によって扉が塞がれ、地下3階に溜まっていた水が増し始めた。その矢先、仲間の1人が殺された。残された電力、食糧、水没までのタイムリミットは1週…

内藤正典 教えて! タリバンのこと 世界の見かたが変わる緊急講座

2021年夏、アフガニスタンの首都カブールがタリバンによって陥落。様々なメディアでタリバンへの批判が挙がる中、1人のイスラム研究者が講演を開催した。共に生きていく方法を考えよう。民主主義、自由、人権を、戦闘機とともに運ぶのはもうやめよう。 ミシ…

森博嗣 オメガ城の惨劇 SAIKAWA Sohei’s Last Case

孤島にあるオメガ城への招待に応じた6人の天才研究者と1人の雑誌記者。招待状にはマガタ・シキの名があり、サイカワ・ソウヘイも出席に応じた。執事も主催者を知らない中、和やかな晩餐がスタートする。その深夜、悲鳴で目が覚めた参加者たちは、異常な事態…

高橋裕子 津田梅子 女子教育を拓く

1871年、使節団の一員として渡米した津田梅子。11年の教育を経て帰国した日本には、彼女の居場所は望んだものではなかった。女性のために役立ちたいと願った彼女は、再びアメリカでの教育を受け、日本人女性の高等教育の礎を築いていく……。 渡米先の家族との…

荒木あかね 此の世の果ての殺人

小惑星テロスが阿蘇に激突すると発表され、大混乱に陥った世界。パニックで廃墟化が進む太宰府で、小春は教習所に通い自動車の教習を受けていた。年末、教習車のトランクから滅多刺しの女性死体が見つかり、元刑事の教官イサガワと捜査にでることに。 史上最…

藤原学思 「Q」を追う 陰謀論集団の正体

アメリカ合衆国で陰謀論を展開し、大統領にまで影響を及ぼす「Qアノン」。その集団が信奉する「Q」とはいったい何者なのか? 匿名掲示板への投稿から始まり、世界中に影響を与えた人物の正体を、朝日新聞記者が追う。 「朝日新聞デジタル」で反響の大きかっ…

森博嗣 ナ・バ・テア

永遠に死なない子どもたち「キルドレ」と企業による代理戦争が続く世界。優秀な戦闘機乗りのクサナギは、伝説の撃墜王で大人のパイロットに出会う。彼から学び、彼と戦い、彼とともに過ごした。いつしかクサナギの目は彼を追っていた。 1作目「スカイ・クロ…

沢寿郎 鎌倉史跡見学

源頼朝が幕府を開いて約300年。武家政治の中心地として栄えてきた鎌倉。室町時代までの鎌倉の歴史を、歴代統治者や仏教、文化の史跡を中心に紹介・解説する。 淡々と鎌倉史を述べる「鎌倉殿の13人」「逃げ上手の若君」副読本に相応しい1冊。禅に傾倒したジョ…

M・W・クレイヴン キュレーターの殺人

クリスマスを迎えて浮き立つ英国で、切断された人間の指が次々に発見された。各現場に残された「#BSC6」の文字列。それぞれの現場から重要参考人に近づいていくが、解決には至らずいらだちが増すばかりだった。なぜなら巨悪「キュレーター」の存在に気づいて…