2008-01-08から1日間の記事一覧

読んでよかった本 05年ベスト版

大森望『現代SF1500冊 乱闘編 1975‐1995』 大森望『現代SF1500冊 回天編 1996‐2005』 とみなが貴和『EDGE〈4〉 ― 檻のない虜囚』 古橋秀之『タツモリ家の食卓 3 対エイリアン部隊』 高木彬光『ミイラ志願』 山田風太郎『妖異金瓶梅』 小林泰三『海を見る人』…

07年度読んでよかった本

なんといってもこれ1冊で昨年分のミステリを楽しめたような気にさせてくれた有栖川有栖『女王国の城』。奇才・乙一が全ての引き出しを開けさらしてくれた『The Book ― jojo’s bizarre adventure 4th another day』は、ミステリ要素も多分に含まれているとこ…

雑破業 E.P.Works Collection vol.1

仕事先にワガママを言って送ってもらった雑破業の同人誌『E.P.Works Collection vol.1』。ありがとう御座います。収録は、李小狼が女装して知世になぶられるCCSネタ「ボーイキャプターともよ」・前原しのぶがカオラの作った薬でフタナリになってしまう「ラブ…

藤崎慎吾 クリスタルサイレンス

藤崎慎吾『クリスタルサイレンス』(上巻)(下巻)は、西暦2071年の火星北極冠で見つかった高等生物の死骸を巡る物語。火星の水源を書いた社会性は一気通読の面白さで、その裏で暗躍するブラック・マーケットと絡めた物語性は最高。それだけにホーガン『星…

ゴッドハンドX 変態たちの言葉

これまた仕事先にわがままを言ってお願いした同人誌『ゴッドハンドX 変態たちの言葉』。ありがとう御座います。雑破業インタビューや商業・同人などの情報を得るつもりで読んでいたのに、見えてきたのは「オナニーの明日」という辺り、役にたったのかどうな…

山田正紀 弥勒戦争

デビュー作『神狩り』に続き、タイトルが凄い山田正紀『弥勒戦争』。滅びの運命を受け入れる独覚一族の結城弦は第三次世界大戦の予兆と、その裏で暗躍する謎の独覚を知る。そして目の前に現れたのは”弥勒”だった……。第二作にしてこのスケール。しかも文庫で2…

井上雅彦 監修 ロボットの夜 ― 異形コレクション

第17弾になるアンソロジー井上雅彦・監修『ロボットの夜 ― 異形コレクション』。収録作に関しては『異形コレクション』読書会が詳しいので、そちらを参照して下さい。色んなロボットを考え出される中で、安心して読めて上手さが際立つのが梶尾真治「小壺ちゃ…

黄支亮 WANTED 〜ハート捕まえて!」

新年初のジュブナイルポルノは黄支亮『WANTED 〜ハート捕まえて!』。敏腕女捜査官・林志保里は情報屋に裏切られ、監禁されることになった。そして地下室から脱出するためには過酷な求愛を受けなければ……。黄お得意の馬鹿装置に、彼氏持ち処女じゃないならア…

横溝正史 八つ墓村 金田一耕助ファイル

十年ぶりほどの再読になるのか横溝正史『八つ墓村 金田一耕助ファイル』。代表作といわれながら、傑作とは呼ばれない理由が気になって読んだけど、なるほど納得。御先祖の財宝探しや、封鎖的な村の一族がバタバタと死んでいく過程、モデルとなった津山三十人…

鬱夫の恋

2ch生まれのショート・フリーゲーム『鬱夫の恋』(プレイする方はリンク先の注意事項を読んで下さい)。 http://www.geocities.jp/kimoo_no_koi/utuo.html いじめられっ子のウツオが力を出せるのは夢の中と、自分より価値のない生物に対してだけ。ある日、殴…

須賀しのぶ キル・ゾーン ― ジャングル戦線異常あり

須賀しのぶの積読を処理しようと『キル・ゾーン ― ジャングル戦線異常あり』。23世紀の地球は治安部隊とレジスタンスの戦場となっていた。女軍曹キャッスルと相棒の天才スナイパー・エイゼンは捕虜救出に向かうが、新しく入った面子は問題児ばかりだった……。…

黄支亮 バスターズ ― 巫女三人娘☆奮戦中

記念すべきジュブナイルポルノ90冊目? は黄支亮『バスターズ ― 巫女三人娘☆奮戦中』。黄支亮はアタリがある作家だけにこれは酷い。伝説の巨大蜘蛛が復活して町が大変なことに! →魔物に洗脳された同級生たちに(紐で縛られて、パンツを剥ぎ取られて、犯され…

須賀しのぶ キル・ゾーン ― 戦場のネメシス

困ったことに早くも面白くなってきた須賀しのぶ『キル・ゾーン ― 戦場のネメシス』。鬼と呼ばれる女軍曹キャッスルのもとにやってきた新兵スワンプ・ラット。酒を飲み続けるスワンプ・ラットだったが、彼が髭を剃り落としてからキャッスルの言動がおかしくな…

須賀しのぶ キル・ゾーン ― 破壊天使

シリーズ3作目須賀しのぶ『キル・ゾーン ― 破壊天使』。あまりにも中毒性が高いことから製造中止になった薬、通称エクスプレス。それが再び基地内で流行り出し、その裏には火星勢力の工作があったが……。日常パート半分、戦争パート半分でコバルトらしさ皆無…

須賀しのぶ キル・ゾーン ― 密林

シリーズ4作目須賀しのぶ『キル・ゾーン ― 密林』。火星の工作員マックスの協力を得たレジスタンスたちに奪回された基地を巡り、政府軍はクチンを経由してクアラルンプールまで下がるしか道はなかった。ジャングルの中を逃亡するキャッスルたちだが、狙撃兵…

筑摩十幸 ヴァンパイアスレイブ ― 陵辱の十字架

ジュブナイルポルノになれたとはいえ「赤ちゃんできちゃう!」だけは勘弁してほしい筑摩十幸『ヴァンパイアスレイブ ― 陵辱の十字架』。ヒロインは女子高生ヴァンパイアだが人の心を失わず、害をなす妖魔から人間たちを守るために日々戦っていた。しかし妖怪…

山下卓 ふたり ― days of Broken Blood

再読になる山下卓『ふたり ― days of Broken Blood』。シリーズ番外編で物語のネタバレたっぷりなので、これから読んじゃ駄目。そんなにライトノベルを読んでいるわけじゃないけど、ジャンル中で輝く三本に入る、と思う。女の子が男の子を好きになるだけの話…

山田悠介 Fコース

『Aコース』の続編で、現実と変わらないぐらいのバーチャル・ゲームに参加した女子高生4人に与えられた課題は「美術館から絵画を盗み出す」こと。鼻から鶏卵うどんを噴きだす(実話)ほど、衝撃のラスト。今世紀で、ゲームの名前「バーチャワールド」といっ…

村上春樹 風の歌を聴け

デビュー作・群像新人賞受賞作の村上春樹『風の歌を聴け』。育った町に帰ってきた、学生の短い夏休み。味のないガムを噛んでいるような無力感というか、それでも大江健三郎が言ったアメリカナイズ? のような村上臭はあった。嫌いじゃないけど、そこまでのめ…

法月綸太郎 生首に聞いてみろ

彫刻家が残した娘の像から首が消えた。その謎を追う法月綸太郎『生首に聞いてみろ』。出来のいい本格ミステリで、実に法月らしい物語運びだと思うけど、僕としては派手さに欠けるのでイマイチ。スカッとするトリックでもなく、探偵業のミスを重ねた上に人が…

須賀しのぶ キル・ゾーン ― 嘘

シリーズ5作目須賀しのぶ『キル・ゾーン ― 嘘』。ボルネオ島から脱出したものの、上部の作戦によるボルネオ帰還と、無茶な捕虜救出作戦。お、面白い。シドーとグッドリーの再開は名シーンだし、リアルタイムで読んでいたらもどかしい強烈なひき具合。色々と…

須賀しのぶ 流血女神伝 喪の女王 3

あと何冊で終わるのか、シリーズ20冊目の新刊須賀しのぶ『流血女神伝 喪の女王 3』。これが本当の時間を忘れて一気読み。物語の濃さが異常、と思えば外伝で処理する予定だったのか……書いてくれよー。こんな終わり方しちゃ次巻なんて待てねえよ! ラストまで…