2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧
「クサいメシ」と呼ばれる刑務所の給食。それを作るのは受刑者自身。料理の知識も経験もない受刑者と、それを見守る刑務官も素人同然。日本一小さな男子刑務所で、刑務所栄養士として働くことになった著者が、限られた条件で作れる「美味い飯」とは。 花輪和…
いつも立ち寄るコンビニで。喫茶店で隣のテーブルから聞こえた会話が。ふと手にしたフリーペーパーに書かれていた言葉に……。気づいてしまうと、今までの日常には戻れないのかもしれない。現代実話怪談の作家たちによる49話。 怪談四十九夜のシリーズ5作目。…
「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」。2020年、中2の夏休み。コロナ禍のなか、閉店を迎える西武大津店に毎日通い、中継に映ると成瀬は宣言した。M-1への挑戦や部活、受験も、一風変わった友人成瀬は全力でひた走る。 本屋大賞受賞なので読んでみ…
日本全国で進む地方の過疎化に重ね、感染症が大流行し「祭り」が滞ってきた。これまで鎮められてきた神々が怒り、暴れだす。対応するのは「祭祀保安協会」の九重十一とアシスタントの八多岬。 怪談作家である著者による、東北を舞台にした怪異連作ミステリー…
筑波大学を卒業後、就職もままならなかった著者は、大阪西成区・あいりん地区で生活しようと決めた。手配師から解体仕事を紹介され怒鳴られる。宿には生活保護者が長期滞在し、掃除をすれば注射器が転がり出てくる。 マンガ化された原作と知り読んでみた。20…
メモリが素数しかない定規、足を使う車椅子、通った道が消えていくナビ。不便だけど、そこに利益が生まれる「不便益」。便利が求められる中、どうして「不便益」は生まれたのかをデザイン工学の観点から紹介する。 著者の連載が面白かったので、岩波ジュニア…
献血で集められた血液は、どのように管理され使われていくのか。中高年層が割合を占める状況が続く中、さらに少子高齢化社会を迎える未来では? 献血、骨髄バンクの必要性、その仕組みを解説する。 献血に行って40数回。その歴史や仕組みを知っておきたかっ…
北海道警察で経験を積む沢村依理子は、少女死体遺棄事件の捜査に参加する。冷え切っていた少女は5年前に行方不明になっていた子だった。当時の容疑者は死亡したのに、彼女はどこで生きていた? 未解決事件の真相を、博士号を持つノンキャリ警察官が追う。 第…
田舎町の閉鎖感を書いた表題作と、貧困アルバイト警備員であるオタク女の生活を半私小説的に書いた「ベイビー、イッツ・お東京さま」を収録。 表題作は私の感性ではまったく理解できなかった。半私小説「ベイビー、イッツ・お東京さま」は、傑作「ババヤガの…