2024-06-01から1ヶ月間の記事一覧
本の歴史が知りたくて、子どもも読めればと選んだ1冊。毎日200冊以上作られる本はどのよう工程で本になり、どこへ運ばれて行くのか。歴史から、素敵な本との出会いかたまでを教えてくれる。まさに「本について」の本だった。 本について授業をはじめます (ち…
世界最大の選挙を控える大国インド。ナレンドラ・モディが首相就任した2014年以降、脱カーストと民主化によって近代化が……と思いきや、モディ化が進んでいると説く。新聞では読みとれていなかったが、外交・政治・経済など多方面において権力の集中とヒンド…
山の怪談を得意とする著者による、実力が発揮される「鹿の葬式」「夢ヶ岳」などを収録。同時に、記憶に残す力は現代都市怪談でも十分。修学旅行の京都で飛び降り自殺を見てしまう「ある夜のこと」がしっとり怖い。北関東の山道で見かけた「奥の院」は、拭え…
オカルト溢れる世界を旅するシリーズも9作目。一貫して都市伝説と現代怪談の愛を書きながら、それぞれの性を模索してきた紙越空魚と仁科鳥子。1つのクライマックスに至った満足感もありつつ、そのあとの心境を瑞々しく書いていて可愛い。散々巻きこんでお世…
給与明細の納税額を見ていると、国が上で私たちが下で、収めているものだと思い込んでいた。しかし本書では、納税は「義務」ではなく「権利」だと教えてくれる。ヨーロッパ、とくにフランスの民主化から始まった税制と、日本の近代化によって進められた税制…
X(Twitter時代)にて、「女三代記が好きなら」と教えてもらった韓国小説が、今年ベスト級だった。寒村から飛び出し、魚売りに拾われた少女クムボクが波乱万丈の人生を送るパートが3分の2を占める。続いて、言葉は発せないものの並外れた怪力を持つ娘チュニ…
縄文時代の人々は何を食べ、そのためにどんな道具を使い、コミュニケーションはどうしていたのか。人類学・動物学・植物学などの専門家たちがマクロからミクロな視点まで、考古学に関わる専門家たちが縄文時代の扉を開く。 『縄文のくらしを掘る』『考古学の…
新札幌に新設されたばかりの北日本科学大学で爆破事件が発生。博士号を持つノンキャリ警察官、沢村依理子は異動したばかりの警務部から、警務部付捜査一課となる。この人事は報復か期待か。監察官室の監視を感じながら、テロ事件をめぐって公安との駆け引き…
満州で育ち終戦を迎え、日本に引き揚げてきた子どもたち。終戦から50年が経ち、漫画家として活躍する9人が当時をふり返る。 ちばてつやの引き揚げ体験漫画を読んで、本書にたどり着いた。子どものころ、両親の枕元に置いてあったマンガ雑誌で読んだ面々、古…