2026-02-01から1ヶ月間の記事一覧

乙一 さよならに反する現象

ここ(ブログ)に記録もないし未読だと思ったら再読だった……(記録し忘れていた)。X発表の超短編を含む書き下ろし4篇が収録されているのでよしとする。今の家族像を書くことで山月記を彷彿とさせる「そしてクマになる」。幽霊がでる家に住み込みながら、お…

フェルディナント・フォン・シーラッハ 犯罪

犯罪×ドキュメンタリー×フィクションの味わいを求めて再読。どうしてそうなってしまったの? を問い続ける。耐え続けた末に愛妻を殺めた医師。強盗の末、たどり着いたエチオピアの村を豊かにした犯罪者。不良の暴力に正当防衛で返した身元不明の男性。モキュ…

斉藤国治 星の古記録

Xで復刊が話題になっていたので読んでみた。日中韓だけでなく、世界の古文書には日食・流星・隕石などの天文記録が残されている。著者はその記録を計算で一つずつ確かめていく。日食や月の満ち欠けだけかと思いきや、数多の星が見えた消えたと細かく記録して…

千早茜 しろがねの葉

戦国末期の石見銀山を舞台に、山師に拾われた少女ウメの生き様を描く。お腹いっぱいで読み終えたあと、北方謙三の後書きで激しく痺れる。格好いい。人の力がいかに小さく、自然と運命の巨大さに、読者まで飲まれていくようだった。 しろがねの葉(新潮文庫)…

岸政彦 断片的なものの社会学

読んでほしいと紹介されたページが、フェルディナント・フォン・シーラッハの短編に似ていて思わず絶頂。1人の人生をなぞりながら、本人にしかわかりえない行動を記録する。ここ数年、シーラッハの新刊では満たされない、乾ききっていた肌が急速に潤されて、…

荒木飛呂彦 荒木飛呂彦の漫画術

『ジョジョの奇妙な冒険』の作者、荒木飛呂彦が創作術を明かす。主人公を軸に物語が常に昇り続けること。全てのコマ・セリフが導線になっていることを、丁寧に説明する。この手法を理解してからジョジョランズを読むと、新鮮さが増して読み応えが増す。荒木…

原浩 火喰鳥を、喰う

2026年はホラー小説からスタート。戦地で死んだ大伯父の日記が届いたことから怪異が頻発するアイテム系ホラー。わかりやすいスタートダッシュから怪異とのコンゲームに転じ、終盤にかけて絶望感が増していく。人形とか日記とかのガジェット系より、家系が好…