石原千秋 国語教科書の思想

石原千秋『国語教科書の思想』を読む。「読書力が低下していく理由、というか単純な原因」「どうして動物が擬人化された話が多いのか」「何を目的として国語なのか」がメインでしょうか。読んでみれば、そりゃそうだ、な簡単な驚きなんですけど、これからどうなるかを考えてみると、なんとも恐い。どれだけ教科書が絶対的だったかという指摘は、どうして思いつかなかったのか。集められた文章の裏に何が潜んでいるのか、と書けば陰謀論めいてしまいますが、僕としては「『大きなかぶ』懐かしい〜! 『赤い実はじけた』は言及なしか……」などと思わせてもくれる懐かし本でもありました(『赤い実はじけた』の作者って『キャンディキャンディ』の原作者なのか!)。

国語教科書の思想 (ちくま新書)

国語教科書の思想 (ちくま新書)