井上章一の講演がえらく面白かったので、彼の代表的著書『つくられた桂離宮神話』を読む。建築家タウトが絶賛した桂離宮には、日本建築界の思想誘導が隠されていた……。どうしてタウトが桂離宮を見たのか? そのバックボーンを探ると、時代背景が見えていく。巨大組織の企み! 陰謀! そんな隠れた歴史サスペンスのような本書は、建築界からは消された1冊のようだ(業界批判ぶっちゃげすぎな後書きが凄い)。寺や神社をどうやって見る(べきな)のかその何が素晴らしいと言われてきたのかが分かる、とてもためになるテキストだったのです。
- 作者: 井上章一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1997/01/10
- メディア: 文庫
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