赤木かん子編 ミステリーセレクション2 ミステリーはユーモアとともに

子ども向けに編集されたミステリ・アンソロジの2巻目、当たり中編3本を収録した赤木かん子編『ミステリーセレクション ミステリーはユーモアとともに』。亜愛一郎シリーズからサラッと読める「歯痛の思い出」。もとは同人誌だったけど口コミで広まった青井夏海「幻の虹」は野球ミステリ(『スタジアム 虹の事件簿』収録)。西村京太郎なんかの昔の作家が野球+誘拐ミステリをやっていた記憶があるけど、そのネガティブな印象を払拭する出来にビックリ。ポール・ギャリコ「ムッシュ・ボンバルのばかげた秘密」は、三ツ星所得をテーマにしたフランス料理のドタバタ小説。最高にお洒落でユーモアに富んでいて、猫好きに薦めたくなるラスト。