冲方丁 スプライトシュピーゲル オイレンシュピーゲル (1)

近未来ウィーン。人種・文化・技術が集結する国際都市ミリオポリスを襲う様々なテロ。それに立ち向かうのは特技増強された少女たち。弾丸のように飛び交う妖精『スプライトシュピーゲル』と、瞬時にして走りぬく犬『オイレンシュピーゲル』。
記号を使った冲方文体になれたら、この読書感はマジ気持ちいい。戦闘は山田風太郎忍法帖川上稔のOSAKA、そこにほどよく萌えが混じって、ドぎつい肢体破壊描写がまた加速させる。彼女たちの過去が強烈なのも、共感できなくてよいよい。
どちらから読んでもいいけど、お薦めしたいのは『スプライトシュピーゲル』から。寝る間を惜しませるジャンク小説ながら、その上手さを直視できる名連作短編シリーズ(しかも始まったばかり)。30分アニメのような展開を満喫しつつ、次回は長編になってほしいなあ。