山田風太郎 警視庁草子

時は明治6年。江戸を終えた日本は大きな波に乗ったところだった。西郷隆盛は薩摩へ、政府は大久保利通に、そして治安は川治利良によって警視庁として、産声をあげた。しかしそんな中で警視庁にちょっかいを出す輩たちがいた。元江戸南町奉行・駒井相模守を頭に、元同心・千羽兵四郎と元岡っ引・冷酒かん八。長年の人脈と知恵には負けていない江戸の生き残りたち……。
ついに封印していた明治ものに手をだしてしまった……(帯の応募でもらえるマグ目当てでもあった)。忍法帖が好みといえど、やはり山田風太郎。大きなスケールの連作短編集にして、この少し悲しみが残る余韻。初めてなのに、懐かしいとさえ感じてしまった。