古野まほろ 天帝のはしたなき果実

コンテストへの優勝を目指して練習に励んでいる勁草館高校・吹奏楽部の古野まほろと愉快な仲間たち。そんな中、学校の謎を探っていた友人が首無し死体で発見される。どうして彼は学園内で殺されたのか? そして犯人は? 学校の七不思議と目前のコンテスト! それでも彼らは友達のために推理合戦を始める!
先日、同志社大学で行われた覆面作家古野まほろ講演会へ行くために読んでみた。大変上手い進行もあり、その場はよかったんだけど、まさかあんなに熱心なファンがいるとは……(邪教徒の中に俺一人邪教徒状態)。日本帝国・1990年(平成2年)・(エヴァの影響を多量に受けた都市)姫山を舞台に繰り広げられる、友情・推理合戦・コンテスト。そして明かされる謎はまさかの結末(ギャフン!)。短くも素晴らしいコンテストのシーンや、友情に熱いキャラクタたちは捨てがたい。語り語られる推理合戦も楽しい。でもこれ学生有栖シリーズとは真逆の作りかただよね。講演の一言「新訳(本書)はプロの作品に仕上げなおした」も納得の読みやすさで、文庫で再販されたら読んでいきたい。「清涼院流水が正体だから覆面!」「奴はそんなに文章上手くない」「有栖川有栖が推薦することもなかろう」といったプチ推理合戦が友人間であったとかなかったとか。

天帝のはしたなき果実 (幻冬舎文庫)

天帝のはしたなき果実 (幻冬舎文庫)