梓崎優 リバーサイド・チルドレン

カンボジアの川沿いに住まう少年たち。ゴミを拾い分別しては日々の収入を得るだけの彼らを、連続殺人犯が静かに襲いかかる。街、スラムからも見放された子どもたちを狙う犯人の理由とは……。
異国情緒溢れる文体と、トリックが叩きつける鋭さでデビューから話題になった梓崎優『叫びと祈り』(感想)。待望の長編新刊が3年ぶり(マジか)に登場。舞台、雰囲気はカンボジア東南アジアだが、作風の魅力などはなに1つ変わらず嬉しい。細かなパーツが集まって1つの答えに収束していく手法が異国長編では弱い印象もある。しかしそこから明示された答えは過酷でありつつ、作風から逸脱しない。待っていて良かった。いい作品だった。