バリー・ライガ ラスト・ウィンター・マーダー

ニューヨーク連続殺人事件の真相にたどり着いたジャズだったが、死体と一緒に倉庫に閉じ込められてしまった。まさかの絶体絶命。カラスの王、出生、そして消えた母の生死。ガールフレンドのコニー、親友のハウイーの2人は、ジャズにまつわる謎から彼を解放させようと過去を掘りかえすが……。
東京創元社の先読み当選したので、さっそく読んでみた。文庫だと思っていたらゲラだったのでビックリした。
超絶サイコパスの親父から英才教育を受けた息子ジャズ3部作の最終巻。1巻は親父の模倣犯と育った町で対決し、2巻は連続殺人事件のアドバイザーになるニューヨーク編。前巻はここで終わるか普通? と不評でもあったけど、3巻のためだったのか。ジャズにまつわる伏線を回収するため、最初から最後まで丸々クライマックスになっている。
主人公ジャズが親父の力を否定しながら利用していく様は「グラップラー邪頭」というか「快殺しんぼ」といったところ。ガールフレンドに親友、祖母や警察の面々もそれぞれ主張し過ぎず、少年マンガを読んでいるかのようなバランスの良さだった。全3巻はもったいない。単発エピソードが2作あっても、シリーズの幅が広がっただろうに。